オフィス移転時に申請できる補助金・助成金の種類
オフィス移転をする際は、引っ越し費用や原状回復工事費、廃棄処分費、新オフィスの設備投資、賃貸契約料など、さまざまな費用がかかります。
そのため、なるべくコストを抑えられる方法はないかが課題となるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、国や自治体が公募している補助金・助成金の活用です。本記事では、オフィス移転の費用負担を軽減できる補助金・助成金について解説します。
目次
オフィス移転にかかる費用相場
まずは、オフィス移転にかかる費用相場を確認していきましょう。
大きく分けて、旧オフィスの退去時と新オフィスの入居時に費用が発生します。
オフィスの規模、引っ越しの距離、賃貸の契約内容、不用品廃棄物の量、通信設備やオフィス家具などの選び方によって変わってきます。
また、費用を抑えても、移転が完了するまでには膨大な作業があります。
そのため、効率的に計画し、実行する必要があります。
以下は、オフィス移転にかかる費用相場の目安です。
退去時の費用(旧オフィス用) | ||
内訳 | 費用 | 備考 |
原状回復工事費 | 3万円〜5万円/坪 | 小規模オフィス(50坪まで) |
5万円〜10万円/坪 | 大規模オフィス(50坪以上) | |
不用品廃棄費用 | 7万円〜8万円 | 2トン車 |
12万円〜15万円 | 4トン車 | |
賃料 | 契約での賃料 | 3~6カ月前に退去予告が必要 |
入居時の費用(新オフィス用) | ||
内訳 | 費用 | 備考 |
敷金 | 賃料の4〜6ヶ月分 | 小規模オフィス(50坪まで) |
賃料の6〜12ヶ月分 | 大規模オフィス(50坪以上) | |
礼金 | 賃料の1〜2ヶ月分 | ー |
仲介手数料 | 賃料の1ヶ月分 | ー |
保証会社加入料 | 賃料の1ヶ月分 | ー |
火災保険料 | 2万円 | 2年契約 |
前賃料 | 入居月分と翌月分 | ー |
内装工事費 | 25万円〜40万円/坪 | ー |
設備・通信工事費 | 5万円〜15万円/坪 | 1坪あたり |
備品購入費 | 5万円〜30万円 | 社員1名あたり |
引越し費用 | 2万円〜5万円 | 社員1名あたり |
届出の書類作成費 | 10万円〜25万円 | ー |
広告・告知の費用 | 1万円〜2万円 | 社員1名あたり |
補助金と助成金の違い
オフィス移転をする際は、自社負担額を減らす方法として、補助金や助成金を活用することができます。
補助金と助成金の違いについては、以下の表を参考にしてください。
補助金 | 助成金 | |
目的 | 新規事業、起業促進、研究開発などの支援 | 事業者の労働環境改善や人材育成を支援 |
管轄機関 | 経済産業省 | 厚生労働省 |
財源 | 国家予算にもとづく税金 | 雇用保険料 |
審査 | 要件を満たして審査で選ばれた場合のみ支給される | 一定要件を満たせば支給される |
支給額 | 数百万円以上 | 数十万円~百万円程度 |
公募期間 | 1週間~1か月くらい | 通年 |
補助金と助成金は、国の政策にそった活動に対して支給されるお金です。
申請審査においては、助成金の場合は、一定要件を満たせば支給されますが、補助金の場合は、一定要件を満たしていても審査で落ちるケースもあります。
また、補助金の公募期間については、人気がある案件の場合、早期に公募期間終了となるケースもありますので、最新の情報を確認する必要があります。
オフィス移転 で補助金・助成金を活用する際は、対象となる内容を確認してから、該当する制度に申請するようにしましょう。
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オフィス移転時に活用できる補助金・助成金
では、オフィス移転に活用できる補助金・助成金の情報を解説します。
なお、オフィス移転に直接関係しなくても、新オフィス開設に合わせて、新規事業やビジネスプランがある際に活用できる情報も合わせて紹介します。
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
- キャリアアップ助成金
- 創業助成金
- 小規模事業者持続化補助金
- 事業継承補助金
IT導入補助金
IT導入補助金2024は、中小企業・小規模事業者を対象に、さまざまな経営課題を解決するITツールの導入を支援するための補助金です。オフィス移転時のIT導入に活用できます。
IT導入補助金は、以下、5つの枠から申請可能です。
- 通常枠
- インボイス枠(インボイス対応類型)
- インボイス枠(電子取引類型)
- セキュリティ対策推進枠
- 複数社連携IT導入枠
補助率や補助額については、申請する枠によって異なりますので、補助対象となる枠を確認してから手続きを進めましょう。
例えば、「通常枠」では、補助率1/2以内、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下です。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助金です。
オフィス移転の設備投資において生産効率の向上が見込めることが条件となります。
ものづくり補助金では、以下の内容がオフィス移転で活用できる補助対象経費と補助額です。
- 機械装置・システム構築費:単価50万円(税抜)以上の設備投資を行うことが必須
- 運搬費:※購入時の機械装置の運搬料は、機械装置費に含める
- 技術導入費:上限額=補助対象経費総額(税抜)の3分の1
- 専門家経費:上限額=補助対象経費総額(税抜)の2分の1
- クラウドサービス利用費:クラウドサービスの利用に関する補助対象による
- 外注費:上限額=補助対象経費総額(税抜きの2分の1
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、非正規雇用者のキャリアアップを促進するために、正社員化、待遇改善に活用できる助成金です。
オフィス移転には直接的には関係しませんが、もし、移転後に社員を増員する際に人材育成に対応できる助成金として検討すると良いでしょう。
キャリアアップ助成金は、以下、6つのコースが設定されています。
- 正社員化コース
- 障害者正社員化コース
- 賃金規定等改定コース
- 賃金規定等共通化コース
- 賞与・退職金制度導入コース
- 社会保険適用時処遇改善コース
創業助成金
創業助成金は、東京都内で創業予定、または創業して5年未満の中小企業者等を対象に、一定の要件を満たした事業者に必要な経費の一部を支援する助成金です。
オフィス移転で必要になる賃借料、器具備品購入費、専門家指導費などが対象となります。
助成率は経費の2/3以内、助成限度額は、上限額400万円/下限額100万円です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する補助金です。
商工会議所の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者が対象です。
小規模事業者持続化補助金では、以下の内容がオフィス移転で活用できる補助対象経費と補助額です。
- 機械装置等費
- 借料
- 設備処分費
- 委託・外注費
事業継承補助金
事業継承補助金は、事業承継を契機として新しい取り組みを行う中小企業を対象に支援する補助金です。
補助内容については、補助対象となる取組内容や経費の種類に応じて「経営革新事業」「専門家活用事業「廃業・再チャレンジ事業」の3つに分類されています。
オフィス移転する際は、「経営革新事業」として設備投資費用、店舗・事務所の改築工事費用などが対象になります。
また、「廃業・再チャレンジ事業」として、在庫廃棄費、解体費が対象となります。
補助金・助成金受給までの流れ
では、続いて、補助金・助成金を申請する際の流れについて確認していきましょう。
申請から受給までの流れ | 確認ポイント | |
1 | 補助金・助成金情報を集める | 国や地方自治体のホームページから情報収集する |
2 | 公募に申請する→審査 | 必要書類を準備して公式サイトのひな型より申請して審査を受ける |
3 | 採択・交付決定する | 審査通過で交付決定。事業の実施計画、費用の見積もりを提示する |
4 | 事業を開始する | 補助金の対象となる事業を行う |
5 | 事業が終了する | 実績報告書を作成する |
6 | 補助金が支給される | 支給は原則後払い。指定口座に補助金・助成金が入金される。 |
補助金・助成金申請時の注意点
補助金・助成金を申請する際は、以下のポイントに注意しましょう。
オフィス移転の時期には、通常の業務の他に作業工数が増えるため、計画的な流れにそって資金調達の準備を行いましょう。
- 受付期間を確認し計画的に
- 基本的に後払い
- 課税対象になる場合がある
- 消費税はかからない
- 書類などの準備、事後処理に手間がかかる
受付期間を確認し計画的に
補助金・助成金を申請する際は、公募受付開始日を確認しましょう。
公式ホームページに掲載されている公募要項から【公募期間】の項目を見ると、「公募開始・申請受付・応募締切」が公開されています。申請が間に合うかどうかしっかり確認して計画的に手続きを進めましょう。
応募者が殺到した場合は、予定日より早く終了するケースもありますので、予定が決まり次第、早めの申請がおすすめです。
基本的に後払い
補助金・助成金は、事業が終了した後に支給されます。
オフィス移転で必要な初期費用は一時自社負担となり、後払いで補助金または助成金が支払われる流れとなります。
したがって、オフィス移転の初期費用は、事前に準備しておく必要があります。
課税対象になる場合がある
補助金・助成金は、収益扱いとなるため、原則、所得税や法人税の課税対象になります。
経費を差し引いた金額が課税対象となるため、会計上、注意が必要です。
消費税はかからない
補助金・助成金を活用する際は、消費税については課税対象にはなりません。
「雑収入」の勘定になり、営業外収益に該当します。
書類などの準備、事務処理に手間がかかる
補助金・助成金の申請については、まずは公募情報から要件や申請内容を把握するまでに時間がかかります。
また、オフィス移転に必要な費用が、公募要件に適合するか判断するのにも労力がかかる作業となります。
したがって、事前準備や事務処理に手間がかかるので、余裕をもって計画的に進めることが必要です。
オフィス移転費用を抑える方法
オフィス移転でコスト削減する方法のひとつとして、オフィス家具に視点をあてて見直してみましょう。
オフィス移転の費用負担を抑える方法について、以下のポイントがあげられます。
- 中古のオフィス家具を検討する
- 不要なオフィス家具は売却する
- 移転業務からオフィス家具の購入まで一括で依頼する
中古のオフィス家具を検討する
オフィス移転する際は、オフィス家具の中古専門店を利用すると、新品を購入するよりも割安でオフィス家具を揃えることができます。
気になる中古家具の状態については、傷や汚れ、凹み、色落ちなどの程度が、しっかり明記してあるため安心して利用できます。
また、オフィス家具をまとめて注文すると更に安く購入することができます。
関連記事:オフィス家具に という選択! 中古オフィス家具のメリットとデメリット
不要なオフィス家具は売却する
旧オフィスで不要になった家具は、買取や廃棄処分を行っているお店に委託することが可能です。
買取ご希望フォームから必要事項を記入して申し込むだけで、家具の買取・処分をスピード対応してもらうことができます。
移転業務からオフィス家具の購入まで一括で依頼する(オフィス移転の専門業者に依頼する)
オフィス移転の作業工数を減らすためには、オフィス家具を安く購入できる中古オフィス販売・買取店を利用すると効率よく引っ越しができるようになります。
オフィス家具を安く購入できるだけではなく、新事務所開設計画ヒアリング、不動産探し、レイアウトの提案、引っ越しの手配と搬送までトータルプランで発注することが可能です。
関連記事:オフィス移転を業者に依頼するメリット!選び方のポイントや注意点
オフィス移転は補助金・助成金を活用して専門業者に依頼しましょう
オフィス移転を計画する際は、まずはコスト削減のために補助金・助成金の活用を検討しましょう。
国や自治体の公式ホームページの最新情報を確認して、公募期間に合わせて早めに申請することをおすすめします。
資金調達の目途が立ったら、オフィス移転の専門業者に依頼すると効率よく作業が進みます。オフィス移転のプロに依頼することで、無駄なコストや工数が減ってスムーズに移転することができます。
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