オフィス移転の流れやスケジュールを詳しく解説
オフィス移転は企業にとって大きな転換点であり、綿密な計画と準備が必要不可欠です。
本記事では、オフィス移転の流れとスケジュールについて詳しく解説します。
適切な計画を立てることで、スムーズな移転を実現し、業務への影響を最小限に抑えることができます。
また、移転を機に働き方改革や生産性向上を図ることも可能です。ここでは、移転の準備から実施、そして移転後の対応まで、各段階で必要な作業と注意点を紹介します。
目次
オフィス移転の流れ
オフィス移転は一般的に6〜8ヶ月程度の期間をかけて行われます。
主な流れは以下の通りです。
時期 |
実施内容 |
6〜8ヶ月前 |
移転の計画立案、プロジェクトチーム編成 |
6ヶ月前 |
現オフィスの解約予告、新オフィスの物件探し開始 |
4〜5ヶ月前 |
新オフィスの選定・契約、レイアウト決定 |
3ヶ月前 |
引越し業者の選定、什器の選定・発注 |
2ヶ月前 |
内装工事の開始、社内への告知 |
1ヶ月前 |
引越し準備、各種届出書類の作成 |
移転当日 |
引越し作業、IT環境のセットアップ |
移転後 |
原状回復工事、各種変更手続き |
この流れは一般的なものですが、企業規模や移転の規模によって変動する可能性があります。
重要なのは、十分な準備期間を設け、計画的に進めることです。
移転の目的を明確にし、新オフィスに求める要件を整理することから始めましょう。
その後、物件探しや内装設計、引越し準備と段階的に進めていくことで、スムーズな移転が可能となります。
オフィス移転のスケジュール
オフィス移転は、綿密な計画と適切なスケジュール管理が成功の鍵となります。
一般的に、オフィス移転の準備期間は約6ヶ月から1年程度必要とされています。
以下の表は、オフィス移転の標準的なスケジュールを月別にまとめたものです。
企業規模や移転の複雑さによって多少の変動はありますが、このスケジュールを参考に計画を立てることで、効率的かつ確実な移転が可能となります。
時期 | 作業内容 |
6ヶ月前 | ・移転プロジェクトチームの立ち上げ
・移転の目的と要件の明確化 ・現オフィスの解約通知 |
5ヶ月前 | ・新オフィスの物件探し開始
・移転予算の策定 |
4ヶ月前 | ・新オフィスの選定・契約
・レイアウト設計の開始 |
3ヶ月前 | ・内装工事業者の選定
・什器・備品の選定開始 ・引越し業者の選定 |
2ヶ月前 | ・内装工事の開始
・IT環境の移行計画策定 ・社内への移転告知 |
1ヶ月前 | ・什器・備品の発注
・引越し準備の開始 ・各種変更手続きの準備 |
2週間前 | ・最終的な引越し計画の確認
・社内マニュアルの配布 |
移転直前 | ・荷物の梱包
・IT機器の移設準備 |
移転当日 | ・引越し作業
・IT環境のセットアップ |
移転後 | ・旧オフィスの原状回復工事
・各種変更手続きの完了 ・新オフィスでの業務開始 |
このスケジュールを基本としつつ、自社の状況に合わせて調整することが重要です。
特に、新オフィスの選定や内装工事には予想以上に時間がかかることがあるため、余裕を持った計画が望ましいです。
また、従業員への周知や関係各所への連絡なども、計画的に進めることが大切です。
現オフィスに関連して発生する業務
オフィス移転を進める上で、現在使用しているオフィスに関連する業務は非常に重要です。
これらの業務を適切に行うことで、スムーズな退去と新オフィスへの円滑な移行が可能となります。
以下の表は、現オフィスに関連して発生する主な業務を月別にまとめたものです。
時期 |
業務内容 |
6ヶ月前 |
・現オフィスの解約通知 ・原状回復工事の調査依頼 |
5ヶ月前 |
・原状回復工事業者の選定 ・見積もり依頼 |
4ヶ月前 |
・原状回復工事の発注 ・退去日の確定 |
3ヶ月前 |
・不要物品の洗い出し ・廃棄計画の立案 |
2ヶ月前 |
・電話回線やインターネット回線の解約手続き ・各種サービス契約の解約準備 |
1ヶ月前 |
・引越し準備(梱包材の準備、荷物の整理) ・現オフィスの鍵の返却準備 |
移転直前 |
・最終的な荷物の梱包 ・原状回復工事の最終確認 |
移転後 |
・原状回復工事の完了確認 ・敷金の返還手続き |
これらの業務を計画的に進めることで、現オフィスからの円滑な退去が可能となります。
特に、解約通知や原状回復工事の手配は早めに行うことが重要です。
また、不要物品の処分や各種契約の解約など、見落としがちな業務にも注意を払う必要があります。
新オフィスに関して発生する業務
新オフィスへの移転に伴い、多岐にわたる業務が発生します。
これらの業務を計画的かつ効率的に進めることで、スムーズな移転と新オフィスでの円滑な業務開始が可能となります。
さらに、適切な準備により、移転に伴うリスクを最小限に抑え、従業員の負担を軽減することができます。
以下の表は、新オフィスに関連して発生する主な業務を月別にまとめたものです。
時期 | 業務内容 |
6ヶ月前 | ・移転目的の設定
・新オフィスの要件定義 |
5ヶ月前 | ・新オフィスの物件探し開始
・物件情報の収集と比較 |
4ヶ月前 | ・物件の内覧と選定
・契約条件の交渉 |
3ヶ月前 | ・レイアウトプランニング開始
・内装業者の選定 |
2ヶ月前 | ・オフィス家具の選定・発注
・引越し業者の選定・打ち合わせ |
1ヶ月前 | ・社内用マニュアルの作成
・引越し準備の開始 |
2週間前 | ・各種届出の準備
・最終的な引越し計画の確認 |
移転直前 | ・新オフィスの内装工事完了確認
・IT環境のセットアップ準備 |
移転目的の設定
オフィス移転の第一歩は、明確かつ具体的な目的を設定することです。
この目的設定が、その後のすべての意思決定の基盤となります。
例えば、業務効率の向上、コスト削減、社員の働き方改革、企業イメージの刷新、事業拡大に伴う増床などが考えられます。
目的を具体化し、数値目標を設定することで、移転後の効果測定も容易になります。この目的に基づいて、新オフィスに求める要件を詳細に具体化していきます。
要件定義では、面積、立地、設備、コスト、セキュリティなど、多角的な視点から検討することが重要です。
新オフィスの物件探し
設定した目的と要件に基づき、最適な物件を探します。
立地、面積、賃料、設備など、多角的な視点で物件を評価し、綿密な比較検討を行います。
この際、単に現在の従業員数や業務量だけでなく、将来の事業拡大や働き方の変化も考慮に入れることが重要です。
また、周辺環境や交通アクセス、従業員の通勤時間の変化なども重要な判断基準となります。
物件探しの過程では、不動産業者との緊密な連携が不可欠であり、自社の要件を明確に伝え、適切な物件情報を収集することが求められます。
レイアウトプランニング
新オフィスのレイアウトは、業務効率と社員の快適性に直結する重要な要素です。
部署ごとの配置、共有スペースの設計、動線の確保など、細部にわたる検討が必要です。
効率的な業務遂行を可能にする配置を考えると同時に、コミュニケーションを促進するオープンスペースの設置や、集中作業が可能な静かなエリアの確保など、多様な働き方に対応したレイアウトを目指します。
また、将来的なレイアウト変更にも柔軟に対応できるよう、可動式のパーティションや家具の導入も検討すると良いでしょう。
オフィス家具の選定・発注
レイアウトに合わせて、必要な家具を選定し発注します。
既存の家具の再利用も考慮しつつ、新オフィスのコンセプトに合う家具を選びます。
この際、デザイン性だけでなく、機能性や耐久性、そして従業員の健康や快適性にも配慮することが重要です。
例えば、長時間のデスクワークに適した人間工学に基づいた椅子や、立ち仕事も可能な昇降デスクなどの導入を検討します。
また、会議室や共有スペースの家具選びも重要で、多目的に利用可能な可動式の家具を選ぶことで、スペースの有効活用が図れます。
引っ越し業者の選定・打ち合わせ
信頼できる引っ越し業者を選び、詳細な打ち合わせを行います。
移転日程、作業内容、注意点などを確認し、スムーズな引っ越しを計画します。
特に、重要書類や機密情報の取り扱い、高価な機器の移動方法、データのバックアップ体制などについて、綿密な打ち合わせが必要です。
また、休日や夜間の作業となる可能性も考慮し、建物管理者との調整も忘れずに行います。
さらに、予期せぬ事態に備えて、保険の加入状況や補償内容についても確認しておくことが重要です。
社内用マニュアルの作成
新オフィスでの業務ルールや設備の使用方法などをまとめた包括的なマニュアルを作成し、全社員に周知します。
このマニュアルには、新オフィスのレイアウト図、各種設備の使用方法、セキュリティルール、共有スペースの利用規則、緊急時の対応手順などを盛り込みます。
また、新しい働き方や制度が導入される場合は、その詳細も記載します。
マニュアルは紙媒体だけでなく、電子版も用意し、社内のイントラネットなどで常時参照できるようにすることで、円滑な移行を支援します。
引っ越し準備・作業
計画に基づき、荷物の梱包や不要品の処分を進めます。
IT機器の移設準備も重要です。各部署や個人の責任範囲を明確にし、効率的な準備を進めます。
特に、機密文書や個人情報を含む書類の取り扱いには細心の注意を払い、適切な方法で梱包・移動します。
また、移転を機に文書の電子化を進めるなど、業務改善の機会としても活用できます。
IT機器については、データのバックアップを確実に行い、新オフィスでの迅速な稼働に向けて、システム管理者と綿密に連携します。
各種届出
法務局、税務署、社会保険事務所など、関係機関への届出を漏れなく行います。
提出期限に注意が必要です。特に、本店所在地の変更登記は法定期限が定められており、遅延すると過料が科される可能性があるため、特に注意が必要です。
また、取引先や顧客への移転通知も忘れずに行い、業務への影響を最小限に抑えます。
さらに、従業員の通勤経路変更に伴う通勤手当の見直しなど、人事関連の手続きも併せて行うことが重要です。
これらの手続きを確実に行うことで、新オフィスでのスムーズな業務開始が可能となります。
オフィス移転業者選びの際に意識したいポイント
オフィス移転は企業にとって大きなプロジェクトであり、その成否は適切な移転業者の選定に大きく左右されます。
信頼できる業者を選ぶことで、効率的かつスムーズな移転が可能となり、コストや時間の無駄を最小限に抑えることができます。
さらに、従業員の負担を軽減し、業務への影響を最小限に抑えることも可能となります。
ここでは、オフィス移転業者を選ぶ際に意識すべき重要なポイントを詳しく解説します。
業者の選定を行う前に選定基準を整理する
移転業者を選定する前に、自社の要件や条件を明確にしておくことが非常に重要です。
これにより、適切な業者を効率的に見つけ出すことができ、また業者とのコミュニケーションもスムーズになります。
以下の項目を事前に十分検討し、整理しておきましょう。
予算
移転にかけられる予算を明確に設定します。
この際、単に総額だけでなく、内装工事費、什器購入費、引っ越し費用など、項目ごとの予算配分も考慮しておくと良いでしょう。
業者への見積もり依頼時に、予算範囲を明確に伝えることで、より適切で現実的な提案を受けることができます。
また、予想外の出費に備えて、ある程度の予備費を設けておくことも忘れずに。
移転対象
オフィスの規模、従業員数、移転する什器や設備の量を正確に把握します。
特に、特殊な機器や大型の設備がある場合は、その詳細も把握しておく必要があります。
これにより、必要なサービスの範囲が明確になり、適切な業者の選定につながります。
また、データやセキュリティに関する要件も忘れずに確認しましょう。
実施時期
移転の希望時期を決定します。
ただし、繁忙期(多くの企業の決算期にあたる3月末や4月初めなど)は料金が高くなる傾向があるため、可能であれば柔軟に対応できるようにしておきます。
また、業務への影響を最小限に抑えるため、週末や連休を利用した移転も検討しましょう。
さらに、新オフィスの内装工事期間なども考慮に入れ、十分な余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。
依頼範囲
単なる引っ越し作業だけでなく、内装工事やIT環境の構築、さらには旧オフィスの原状回復工事など、どこまでを業者に依頼するかを明確に決めておきます。
一括して依頼することでコストを抑えられる可能性もありますが、自社で行った方が良い作業もあるかもしれません。
また、社内のリソースや専門性も考慮して、最適な依頼範囲を決定しましょう。
管理体制をチェックする
選定した業者の管理体制を詳細に確認することも非常に重要です。
まず、プロジェクト管理の経験豊富な担当者がいるかどうかを確認します。オフィス移転は複雑なプロジェクトであり、豊富な経験と高い管理能力を持つ担当者の存在が成功の鍵となります。
また、緊急時の対応体制が整っているかも重要なポイントです。
移転作業中や移転直後に予期せぬ問題が発生した場合、迅速かつ適切に対応できる体制が整っているかを確認しておきましょう。24時間対応が可能かどうかも確認しておくと安心です。
さらに、過去の実績や顧客の評価も重要な判断材料となります。
同規模、同業種の企業の移転実績があるか、そしてその評価はどうだったのかを確認することで、自社の移転にも適しているかどうかを判断できます。可能であれば、過去の顧客に直接話を聞くことができれば、より詳細な情報を得ることができるでしょう。
オフィスの移転完了後のサポート体制も確認する
移転後のアフターフォローも重要な選定基準です。
新オフィスでの不具合対応や、追加の工事やレイアウト変更への対応能力を確認しておくことで、長期的な視点での業者選びが可能になります。
具体的には、移転後の保証期間や対応可能な問題の範囲、対応にかかる時間などを確認しておきましょう。
また、将来的なオフィスの拡張や縮小、レイアウト変更などにも柔軟に対応できるかどうかも重要なポイントです。
さらに、定期的なメンテナンスやチェックアップのサービスがあるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
これにより、問題が大きくなる前に早期発見・対応することが可能となり、長期的なコスト削減にもつながります。
以上のポイントを十分に考慮し、自社のニーズに最も適した移転業者を選定することで、スムーズで成功的なオフィス移転を実現することができるでしょう。
オフィス移転後の注意点
オフィス移転は、単に場所を変えるだけでなく、業務効率の向上や企業文化の変革を目指す重要なプロジェクトです。
しかし、移転完了後も油断は禁物です。新しい環境での業務が軌道に乗り、当初の目的が達成されているかを慎重に検証する必要があります。
この検証プロセスを通じて、移転の効果を最大化し、継続的な改善につなげることができます。
効果検証の重要性は、移転の目的によって異なります。
例えば、コスト削減が主な目的であれば、実際の経費削減額を算出し、目標との差異を分析します。一方、従業員の満足度向上が目的であれば、アンケート調査やヒアリングを実施し、具体的な改善点を洗い出します。
また、業務効率の向上を目指した場合は、生産性指標の変化を追跡します。
例えば、プロジェクト完了までの時間や、一人当たりの売上高などの指標を移転前後で比較することで、客観的な効果測定が可能となります。
さらに、新オフィスでの働き方や使用状況を観察することも重要です。想定通りにスペースが活用されているか、コミュニケーションの頻度や質に変化があるかなどを確認し、必要に応じてレイアウトや設備の調整を行います。
これらの検証作業は、移転直後から定期的に実施することが望ましいです。短期的な効果と長期的な影響を区別して評価し、継続的な改善サイクルを確立することで、オフィス移転の真の成功を実現できるでしょう。
まとめ
オフィス移転は、企業にとって大きな転換点であり、綿密な計画と実行が求められます。
成功的な移転のためには、6〜8ヶ月前からの計画立案、適切な業者の選定、従業員への周知、そして各種手続きの確実な実施が重要です。
また、移転後も効果検証を行い、継続的な改善を図ることが大切です。
オフィス移転は単なる場所の変更ではなく、業務効率の向上や企業文化の変革の機会でもあります。
本記事の情報を参考に、綿密な準備と実行を行うことで、スムーズで効果的なオフィス移転を実現できるでしょう。
中古オフィス家具通販・販売の「ありがとう屋」